激しい憎悪で決裂したかに見えた2人ですが、その後の関係性は世界を驚かせるドラマチックな軌跡を描きます。2009年、全米屈指の人気トーク番組『オプラ・ウィンフリー・ショー』において、2人はカメラの前で正式に握手を交わし、歴史的な和解を果たしました。ホリフィールドは「心から彼を許している」と語り、タイソンも自らの未熟さを認めて深く陳謝したのです。
さらに2013年には、大手フットウェアチェーン「Foot Locker」のテレビCMで衝撃のCM共演が実現します。タイソンがホリフィールドの自宅を訪れ、「君の耳を持ってきたんだ。ホルマリン漬けにして大切に保管していたよ」と箱を差し出して抱き合うという自虐パロディは、世界中で爆発的な反響を呼びました。
そして近年、この因縁は驚くべきビジネスへと昇華します。タイソンが手がける大麻・CBDブランド「Tyson 2.0」から、耳の形を模し、一部が噛みちぎられたデザインの「マイク・バイツ(Mike Bites)」という耳型グミが発売されたのです。驚くべきことに、ホリフィールド本人もこの企画に合意し、2026年には共同ブランド「Holy Ears」としてパートナーシップを結ぶに至りました。凄惨な汚名を逆手に取り、巨額の商業的成功へと変えてしまうアメリカン・エンターテインメントの真骨頂と言えます。