アウトドアの領域における炭団の躍進も著しい。派手な炎を立ち上げる焚き火カルチャーが一服し、より静かに自然と対峙するブッシュクラフトやミニマルキャンプへ嗜好がシフトした結果、炭団が「最強の調理燃料」として再定義された。
ダッチオーブンや煮込み料理において、炭団の安定感は群を抜く。薪のように燃え尽きる速度を絶えず気にしながら継ぎ足す必要がなく、鍋底に置けば焦げ付きを最小限に抑えながら数時間にわたるコトコト煮込みを約束してくれる。朝方に残った灰を掘り返せば、まだかすかに赤い熱が生きていることも珍しくない。コーヒーの湯を沸かすための最初の一歩を、冷えた朝の森で炭団が静かに助けてくれるのだ。