捜査本部から送致を受けた神戸地方検察庁にとって、本件の公判維持は極めてハードルの高い挑戦である。刑事司法・警察行政の現場において、発生から長期間が経過した事件の立証は「時間の風化」との戦いに他ならない。
目撃者の記憶は経年劣化し、現場周辺の物理的環境も変貌を遂げている。供述調書の任意性と信用性を法廷で担保するため、検察側は客観的な間接事実の積み上げに全力を注ぐ。公判前整理手続における争点整理の長期化も予想され、自白に依存しすぎない強固な立証構造をいかに構築できるかが、司法判断の最大の焦点となる。