1971年のデビュー曲『水色の恋』から『ひとりじゃないの』『虹をわたって』と立て続けにミリオン級のヒットを連発した若い頃の天地真理は、輝くような笑顔と透明感あふれる歌声で「白雪姫」と称賛されました。マルベル堂のブロマイド売上ランキングでは2年連続で年間1位を獲得し、人形や文具などのキャラクターグッズが社会現象化するなど、まさに昭和の象徴でした。
しかし、2000年代以降の回顧特番やドキュメンタリー番組に出演した際、かつての可憐な面影から大きくふくよかになった現在の姿が映し出され、視聴者に「激変」として強い衝撃を与えました。この変化を「単なる中年太り」や「自己管理の怠慢」と片付けるのは事実に反します。その背景には、長年にわたる過酷な闘病生活がありました。
取材記録や本人の告白によると、彼女は20代半ばの休業期から甲状腺機能障害を患っていたほか、後年には双極性障害(躁うつ病)と診断され、長期の精神科通院を余儀なくされていました。精神科領域で処方される気分安定薬や抗精神病薬、抗うつ薬には、代謝を著しく低下させたり食欲を異常亢進させたりする副作用を持つものが少なくありません。つまり、容貌の変貌は過酷なメンタルヘルスの悪化と、それに抗うための薬物治療がもたらした不可避の代償でした。