現在、国家公務員の再就職は完全に野放しにされているわけではありません。2007年の国家公務員法改正によって組織的あっせんが禁止され、違反行為を厳しく取り締まる独立機関として「再就職等監視委員会」が設置されました。
現行ルールでは、以下の行為が明確に禁じられており、違反した現役職員には懲戒免職を含む厳しい処分が下されます。
- 現役職員による再就職のあっせん禁止:上司や同僚が、部下や後輩の再就職先を営利企業等に口利きすることの全面禁止。
- 利害関係企業への求職活動の禁止:現職の権限で許認可や契約に関与している相手企業に対し、在職中に求職・就職交渉を行うことの禁止。
- 再就職者による元の省庁への働きかけ規制:天下り先企業のために、古巣の現役職員へ有利な契約や処分を求めて圧力をかけることの制限。
しかし、2026年現在においても「規制をすり抜ける巧妙な抜け道」が機能し続けています。その最たるものが「OBルートによる脱法あっせん」です。法が禁じているのはあくまで「現役職員」によるあっせんであり、すでに退職している大物OBが民間の人材ブローカーのように立ち回り、後輩官僚を外郭団体や業界大手へ仲介する手口です。現役職員は直接関与していない体裁を取るため、監視委員会の網を容易にかいくぐります。
さらに近年では、官民の批判を避けるために一度民間のシンクタンクや大手コンサルティングファーム、あるいは大学の特任教授ポストへ就任させ、数年間の「ロンダリング期間」を挟んだ後に本命の利害関係企業へ迎え入れる迂回ルートも常態化しています。監視委員会の強制調査権や人的リソースには限界があり、水面下の「暗黙の了解」をすべて立証するのは極めて困難なのが実情です。