ティルト機構は油圧ダンパーやガススプリングを内蔵しているため、正しい手順で操作を行わないと、急激な傾斜による恐怖感や車椅子自体の後方転倒を招く恐れがあります。介助者が日常的に遵守すべき基本プロトコルは以下の通りです。
- 周囲の安全確認とパーキングブレーキの施錠:操作を開始する前に、必ず左右の駐車用ブレーキが完全に効いているかを確認します。
- 利用者への声かけ:「背もたれを少し倒しますね」と必ず声をかけ、視界の急変によるパニックや血圧変動を防ぎます。
- ティルトレバーの把持と緩やかな傾斜:ハンドグリップ部にあるティルト解除レバーを握り、介助ハンドルに手を添えながら、自重を利用してゆっくりとシート全体を後傾させます。
- 適切な角度でのロック:目的に応じた角度(通常の休息・除圧なら15〜25度)でレバーを離し、確実にラッチが噛み合って固定されたことを手応えで確認します。
- 下肢・頭部ポジションの再チェック:後傾後、踵がフットプレートから外れていないか、後頭部がヘッドサポートの中央に収まっているかを目視で点検します。