これまでもBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを使った屋内測位の試みは存在した。しかし、莫大な電池交換コストと、混雑時の電波干渉という高い壁に阻まれてきた背景がある。今回実用化された技術が画期的なのは、既存の都市インフラをそのまま活かしつつ、ハードウェア側の進化とソフトウェアの解析能力を限界まで引き上げた点だ。
建物の鉄骨構造が作り出す固有の地磁気パターンは、人間でいう「指紋」のような役割を果たす。これに最新規格のWi-Fi RTTによる超正確な距離測定を掛け合わせることで、送信機を新設することなく高精度の位置情報を算出するロジックが完成した。通信の遅延もほぼゼロに抑えられ、早足で地下街を歩いてもナビゲーションが遅れることはない。