現在進行中のカキン帝国王位継承戦(ブラックホエール1号内)を俯瞰したとき、ネオンの存在感は皮肉な形で浮き彫りになる。超密室となった巨大船内で繰り広げられる王子たちの暗闘、そして念獣を使った凄惨な情報戦。ここには、未来を予言し惨劇を回避させてくれるような「都合の良い力」は一切存在しない。
ヨークシン編において、ネオンの予言は幻影旅団のメンバー数人の死を回避させ、展開をコントロールする役割を果たした。しかし、王位継承戦にはその安全装置がない。全員が予測不能な死の恐怖と隣り合わせで戦っているのだ。ネオンという予言者の退場は、物語全体の緊迫度を極限まで高めるための、冨樫義博による緻密な計算だったとも言えるだろう。