カツオの最大の魅力は、年に2度訪れる異なる味覚のピークだ。4月から5月にかけて南の海から太平洋を北上してくる個体は「初カツオ」と呼ばれ、脂身が少なく引き締まった赤身が特徴だ。さっぱりとした後味とみずみずしい香りは、伝統的な和食の繊細な味付けにも見事に調和する。
一方で、三陸沖などで豊富な餌を食べ蓄養され、9月から10月に再び南下してくるのが「戻りカツオ」だ。別名「トロカツオ」とも称されるほど脂が乗り、脂肪分は春の個体の10倍近くに達することもある。もっちりとした濃密な口当たりと深いコクを楽しめるため、濃厚な旨味を求める層から絶大な支持を集めている。