本作のクオリティを語る上で欠かせないのが、冴羽獠を演じた鈴木亮平の凄まじい執念です。これまでも数々の作品で驚異的な体重増減や肉体改造を成功させてきた彼ですが、本作では「二次元のシルエットを三次元の人体で再現する」という極限の領域に挑戦しました。
鈴木亮平は撮影に向け、上半身を中心に徹底的な筋肥大トレーニングと厳格なPFCバランス管理を実施。肩幅の広さと引き締まったウエストの対比を際立たせるため、筋肉量を極限まで増やしながら体脂肪率を絞り込み、まさに劇画から抜け出てきたような鋼のプロポーションを創り上げました。劇中で露わになる背筋や胸筋のカットは、長年のトレーニング経験と専門家による徹底指導の賜物です。
さらに、アクション面では獠の愛銃である「コルト・パイソン357マグナム」のプロップガンを日常生活でも肌身離さず持ち歩き、手元を見ずにリロードやホルスターからのドロー(抜銃)を行えるまで指先に感覚を染み込ませたといいます。撃ち尽くした後のシリンダースイングや薬莢の排出演出に至るまで、銃器ファンが唸るリアルな手捌きをノー吹き替えで演じ切りました。
そして、ネット上で大きな話題を呼んだのが、劇中で披露される「もっこりダンス」のシーンです。一歩間違えれば単なる悪ふざけになりかねないこのシチュエーションに対し、鈴木亮平は「獠の道化としての美学」を表現すべく、何度も振り付けや表情のニュアンスを推敲。当時の取材会見でも語られた通り、恥じらいを完全に捨て去り、エンターテイナーとしての覚悟を持って演じ切ったことで、笑いと愛嬌に満ちた屈指の名シーンへと昇華させました。