インターネット掲示板や検索エンジンのサジェスト機能において、なぜ筑波学院大学には「やばい」という評判やFラン説がつきまとうのでしょうか。現場の入試データや過去の報道、関係者の証言を丹念に追っていくと、主に3つの構造的背景が浮かび上がってきます。
第1の要因は、国立「筑波大学」との混同およびブランド格差です。つくば市には日本屈指の難関指定国立大学法人である筑波大学が鎮座しています。他都道府県の高校生や保護者の中には、「筑波大学の系列校なのか」「筑波大学と何が違うのか」と混同するケースが少なくありませんでした。その結果、全国区のトップ校と比較された際に「偏差値的に大きく離れている私立大学」として、ネット上で過剰に揶揄される構図が作られてしまった経緯があります。
第2の要因は、過去の入試偏差値の推移と定員状況です。筑波学院大学の母体である情報経営系学科は、河合塾やベネッセなどの大手予備校が算出する偏差値帯において「BF(ボーダーフリー、実質的な無選抜状態)」あるいは「35.0前後」と判定される時期がありました。これがいわゆる大学受験業界における「Fランク大学」の定義に合致したため、ネットコミュニティを中心に「誰でも入れるやばい大学」という安易なレッテルが定着してしまったのです。
第3の要因は、少子化に伴う私立大学の経営環境の厳しさです。地方・郊外の中小規模単科大学が軒並み定員確保に苦慮するなか、同校も単年度の定員割れや収支バランスの改善という課題に直面していました。これが受験生の間で「経営状況が危ういのではないか」という不安に転化し、噂を増幅させた側面があります。しかし、同校は座して衰退を待つのではなく、法人統合や校名変更を伴う積極的な構造改革へと舵を切りました。