2020年代に入り、森田製菓は新たな挑戦を始めた。「長久にぎわい市」の開催だ。
このイベントは単なる販売会ではない。食品ロス削減を目的とした社会貢献活動である。賞味期限が近い商品、形が不揃いで正規品として出荷できない商品、製造過程で生じた端材。これらを低価格で地域住民に提供する。
年間で廃棄される食品の量は、日本全体で約600万トンに達する。その多くは「まだ食べられるのに捨てられる」ものだ。森田製菓の取り組みは小規模かもしれない。しかし、地方の中小企業が率先して行動する姿勢は、業界全体への問いかけでもある。
「にぎわい市」が生み出す新しい価値
長久にぎわい市は経済効果以上のものを生んでいる。地域コミュニティの再生だ。
過疎化が進む地方都市では、人々が顔を合わせる機会が減っている。にぎわい市は月に一度、住民が集まる場所を提供する。子供からお年寄りまで、世代を超えた交流が生まれる。森田製菓の従業員も積極的に参加し、直接消費者の声を聞く。
この活動は企業イメージの向上にも貢献している。特に若い世代は、社会貢献に積極的な企業を支持する傾向が強い。森田製菓の採用活動にもプラスの影響が出ているという。