日本のテーマパーク・遊園地業界における国産アトラクションの草創期を語るうえで、泉陽興業株式会社の存在は外せない。海外製の大型遊具が主流となりつつあった時代、日本人独特の繊細な感覚と高い構造計算技術を投入し、日本の狭い土地に合わせたコースター開発を主導したのが同社である。
泉陽興業の元社長であり伝説的な技術者としても名高い高井治氏をはじめとする当時のエンジニアたちは、限られた空間の中でいかに安全性を保ちつつ乗客にスリルを提供するかに知恵を絞った。浅草の地に建設されたこのコースターは、日本のものづくり精神とレジャー文化の融合が生み出した歴史的遺産であり、今日における国産コースター技術の原点とも言える名機だ。