ウエイトトレーニングの愛好家や、野球・テニスなどの競技者、建設作業現場の従事者の間では、「豆が破れてからが本番」「テーピングを巻いて我慢するのが美徳」という精神論が今なお根強く残っています。しかし、現場では不適切な処置による重大なトラブルが後を絶ちません。
SNSやフィットネスコミュニティにおける生の声、および医療機関の臨床例を調査すると、以下のような実態が浮き彫りになっています。
- ケース1(30代男性・ウエイトリフティング):「デッドリフト中に手の豆が破れ、そのまま共有のバーベルを素手で握り続けた。翌日、掌全体が赤く腫れ上がり、激しい熱感とリンパ節の腫れが出現。皮膚科で蜂巣炎(ほうそうえん)と診断され、点滴治療と2週間の完全休養を余儀なくされた」
- ケース2(10代女性・体操競技):「できた豆の皮をハサミで根元からむしり取った後、乾燥させるために放置。傷口がひび割れて裂傷が深くなり、グリップを握るたびに再出血して完治まで1ヶ月以上を要した」
- ケース3(20代男性・野球部):「練習後に患部へ強烈なアルコール消毒を噴霧。あまりの激痛で悶絶した上、皮膚が硬化して柔軟性を失い、次にバットを振った瞬間に大きくパックリと裂けてしまった」
手の豆から黄色い膿(うみ)が出てきたり、ズキズキとした拍動痛が強まり患部周辺が赤く腫れ上がっている場合は、黄色ブドウ球菌などの細菌感染を起こしています。この段階に至った場合、市販の湿潤絆創膏で密閉することは感染を悪化させるため禁忌であり、速やかに皮膚科を受診して抗生物質の内服・外用治療を受ける必要があります。