ネット上の言説やライト層の間では、「由美かおる=お色気」という短絡的なイメージで語られる場面が少なくありません。特に国民的時代劇『水戸黄門』における「かげろうお銀(疾風のお娟)」の入浴シーンは通算200回を超え、ギネス級のお茶の間名物として定着しました。
しかし、映画『同棲時代』における脱衣と演技は、サービスカット的な要素とは根本的に文脈が異なります。本作で見せた姿は、愛する次郎との関係性に苦悶し、社会の不条理に抗いながら生きる女性の生々しい魂の叫びでした。鍛え抜かれたバレエ仕込みの肢体は、カメラの前で静謐な彫刻のような気品を放っており、決して下品な消費に堕ちることがなかった点こそが批評家筋からも絶賛された理由です。
若い頃から一貫して自らの肉体を「表現の道具」として極限まで鍛錬してきた彼女のプロフェッショナリズムは、20代前半の『同棲時代』から中高年期の『水戸黄門』に至るまで寸分狂わず通底しています。