トヨタの出した答えは、系列サプライヤーや競合他社にとっても極めて重い意味を持つ。完成車メーカー1社が高待遇を実現するだけでは、真のサプライチェーン強靭化は果たせないからだ。
現在、Tier1(1次下請け)からTier2、Tier3に至る部品メーカー各社では、原材料高とエネルギー価格の高騰が重くのしかかっている。トヨタ側は下請け企業との取引価格に適正な労務費転嫁を認める方針を掲げており、今回の満額回答がサプライチェーン全体における賃上げ原資の確保へとつながるかどうかが、今後の日本産業界の最大の試金石となる。
現場からは「親会社の高水準な賞与に見合うだけの取引価格見直しを徹底してほしい」という切実な声も上がる。自動車製造業全体のエコシステムを底上げできるかどうかが、今まさに問われている。