「なぜ特定の周期で突然吐いてしまうのか」という疑問に対し、近年の研究で複数の要因が解明されてきました。根本的な周期性嘔吐症の原因として、以下の3要素が複雑に絡み合っていると考えられています。
最も強力なトリガーとなるのがストレスです。ここで注意すべきは、試験や人間関係の悩みといった「心理的負荷(ネガティブストレス)」だけでなく、遠足や旅行、誕生日会、発表会といった「過度な興奮や期待(ポジティブストレス)」でも自律神経が急激に乱れ、発作の引き金になる点です。過労、睡眠不足、感染症(風邪)、長時間の絶食も身体的ストレスとして作用します。
さらに見逃せないのが、周期性嘔吐症と偏頭痛の関連性です。周期性嘔吐症の患者本人が偏頭痛を併発している割合は高く、血縁者に偏頭痛持ちがいるケースは7割以上に達します。事実、小児期に周期性嘔吐症を患っていた子どもが、思春期以降に典型的な偏頭痛へと移行していくパターンは非常に多く報告されています。脳の視床下部における過剰興奮や、セロトニン・ミトコンドリア機能の脆弱性が共通の病態基盤として指摘されています。