駄菓子が持つ独特の情緒と知恵を鮮烈に描いて大ヒットしたコトヤマ氏の漫画『だがしかし』。作中でも、きな粉や餅をテーマにした駄菓子は特別な存在感を放っていた。棒に刺さったきな粉菓子をめぐる子ども同士の駆け引きや、粉をこぼさずに食べるための独自の作法など、誰もが共感する「あるある」が緻密に描かれている。
駄菓子屋というコミュニティが街から姿を消しつつある現在でも、作品を通じて描かれた駄菓子のリアリズムは色褪せない。10円玉数枚を握りしめて買いに行ったあの日の高揚感は、大人になった現代人にとっても、コンビニの棚で手軽に買える「最も身近な贅沢」として再定義されている。