日本の繊維自給率はほぼゼロに近い。この構造的課題に対し、同社が積極的に推進しているのが国内の耕作放棄地を活用した綿花栽培プロジェクトだ。長野や福島、和歌山をはじめとする地域農家と手を組み、無農薬・無化学肥料での綿花栽培を広げる試みは、単なる原料調達を超えた地域経済の再生施策として高い関心を集めている。
使われなくなった農地が再び緑を取り戻し、秋には真っ白な綿ふくろがフィールド一面に広がる。収穫期には地元の小中学生や地域住民も参加し、環境教育や体験型観光の場としても機能し始めた。第一次産業と製造業をシームレスに結びつけるこの取り組みは、限界集落の維持や若者の地方定住を促す実質的な起爆剤となりつつある。