修猷館高校の歴史を語る上で欠かせないのが、国家の命運を担った政治家・歴史的指導者たちの存在です。その筆頭が、福岡県出身者として初の内閣総理大臣となった廣田弘毅(第32代首相)です。外務大臣としても辣腕を振るい、城山三郎の歴史小説『落日燃ゆ』の主人公としても広く知られる廣田は、激動の昭和初期に戦争回避へ全力を尽くしました。東京裁判において文官として唯一死刑判決を受け、従容として刑に服したその生き様は、今なお語り継がれています。
明治期に目を向けると、大日本帝国憲法の起草に参画し、伊藤博文の腹心として活躍した金子堅太郎も修猷館の出身です。ハーバード大学でセオドア・ルーズベルト米大統領と同窓だった人脈を活かし、日露戦争ではアメリカ国内の世論工作を成功させて講和交渉への道筋をつけました。
さらに戦前・戦後の政界で絶大な影響力を持ったジャーナリスト・政治家の緒方竹虎(副総理・内閣官房長官、元朝日新聞主筆)や、軍国主義に真っ向から異を唱え東條英機と対峙した言論人・中野正剛、現代政治において自民党副総裁や防衛庁長官を歴任した山崎拓、現職の衆議院議員である井上貴博など、国家の舵取り役を担う政治家OBを脈々と輩出しています。