業績悪化の前段階として必ず起きるのが、能力の高い中核人材の流出です。優秀な社員が辞めていく理由の根本には、トップに対する絶望と評価制度への不信感があります。
優秀な人材ほど市場価値が高く、業界の動向や自社の経営状況を客観的に見極める力を持っています。社長の判断ミスによってプロジェクトが頓挫したり、理不尽な理由で同僚が冷遇されたりする姿を見た瞬間、「この船に乗っていては危険だ」と冷静に察知します。ダメ社長ほどイエスマンを重用し、正当な苦言を呈する有能な人材を疎外するため、職場には自発的に考える人間がいなくなります。
結果として、仕事をこなすエース級が次々と転職し、残るのは転職市場で動きづらい層や社長に迎合する指示待ち人間ばかりになります。優秀層の離脱によるしわ寄せが中堅・若手に波及し、最終的にワンマン社長の末路として待ち受けるのは、誰も業務を回せなくなった組織の機能不全と破滅的な事業縮小です。