一杯数百円のうどんにおいて、利益はどのように生み出されているのか。業界関係者が口を揃えて指摘するのが、小麦粉の調達力と店舗オペレーションによる原価構造の違いだ。
株式会社トリドールホールディングスの創業者である粟田貴也が率いる丸亀製麺は、全店舗に製麺機を置き、小麦粉と塩と水だけで店内で麺を一から打つ。一見すると人件費がかさむ非効率なモデルに見えるが、輸送コストを極限まで削り、小麦粉という最も原価率の低い原材料のまま各店へ届けることで、麺自体の原価率を約15〜20%前後に抑え込んでいる。その浮いたコストを、手打ちのライブ感と看板商品である釜揚げうどんの圧倒的ボリュームへと再投資しているのだ。
一方、株式会社吉野家ホールディングスの傘下で堅実な経営を続けるはなまるうどんは、讃岐の本場・香川県の自社工場で一括製麺し、急速冷凍・冷蔵輸送するセントラルキッチン方式を採用する。これによりブレのない麺質と高いオペレーション効率を誇る。しかし、両社が真に利益を稼ぎ出しているのはうどんそのものではない。サイドメニューの「天ぷら」だ。原価率が40%を超えることもある海老やかき揚げをうどんとセットで注文させる動線設計こそが、両チェーンの収益を支える心臓部である。