本作の魅力をより深く味わうために、LPの曲順に沿ったビーナスアンドマーズ 収録曲一覧と重要楽曲の構造を解説します。
【LP A面収録曲】
- Venus and Mars(ビーナス・アンド・マーズ):静謐なアコースティックギターで幕を開けるアルバムの序曲。
- Rock Show(ロック・ショー):前曲から間髪入れずに炸裂するヘヴィなアリーナ・アンセム。
- Love in Song(ラヴ・イン・ソング):切なく叙情的なメロディが光るポールの真骨頂バラード。
- You Gave Me the Answer(ユー・ゲイヴ・ミー・ジ・アンサー):1920年代のヴォードヴィル調を取り入れた洒脱なナンバー。
- Magneto and Titanium Man(マグネットとチタン男):マーベル・コミックのヴィランをモチーフにしたユーモラスなロック。
- Letting Go(ワインカラーの少女):重厚なホーンセクションとブルージーなギターが絡み合うミディアム・ファンク。
【LP B面収録曲】
- Venus and Mars (Reprise)(ビーナス・アンド・マーズ・リプライズ):SF的なSEとスケール感ある展開でB面の幕を開ける小品。
- Spirits of Ancient Egypt(スピリッツ・オブ・エンシェント・エジプト):デニー・レインがメインボーカルを取るエキゾチックなロック。
- Medicine Jar(メディスン・ジャー):ジミー・マカロックが作曲・ボーカルを担当したハードなブルース・ロック。
- Call Me Back Again(コール・ミー・バック・アゲイン):ポールの驚異的なシャウトが炸裂する本格派ニューオーリンズ・ソウル。
- Listen to What the Man Said(あの娘におせっかい):全米1位に輝いた本作最大のヒット曲。
- Treat Her Gently / Lonely Old People(やさしくしてね / 孤独な人々):老境の孤独と優しさを描いた穏やかなメドレー。
- Crossroads Theme(クロスロードのテーマ):英国の有名長寿ドラマのテーマ曲をインストでカバーしたエンディング。
特にオープニングの「Venus and Mars / Rock Show」におけるロックショー Wingsの迫力は圧倒的です。歌詞中には「マディソン・スクエア・ガーデン」や「アムステルダムのコンセルトヘボウ」といった実在のホール名や、ジミー・ペイジの名が登場し、これから始まるライブ体験への興奮を煽ります。
先行シングルとして大ヒットを記録したあの娘におせっかい ヒット曲(原題:Listen to What the Man Said)は、ゲスト参加した名手トム・スコットによる鮮烈なソプラノサックスのソロと、洗練されたポップセンスが光る名曲です。ビーナスアンドマーズ 歌詞 和訳の観点から読み解くと、男女の恋愛指南にとどまらず、「周囲の雑音に惑わされず、内なる声(導き)に従え」というポールの前向きな人生哲学が軽妙な語り口の中に織り込まれています。