多くの挑戦者を返り討ちにしてきたのが、楽曲中盤に配置された怒濤の高速ラップセクションだ。なぜこのパートはこれほどまでに歌唱困難なのか。
理由は明白だ。ブレス(息継ぎ)のポイントが極限まで削られていることに加え、言葉の詰め込み(タメとツッコミ)が変調子で行われているからだ。一般的なラップであれば一定のノリで踏破できるフレーズも、本作では変則的なリズムチェンジが容赦なく襲いかかる。滑舌の精度はもちろんのこと、横隔膜の強烈なコントロールと、曲のグルーヴを瞬時に把握するリズム感がなければ、フレーズの途中で崩壊する。プロのシンガーにとっても、最上級のトレーニング曲として機能し続けている理由がここにある。