抑止力の強化は、機内空間の中だけで完結するものではない。現在、各航空会社や関係省庁はYouTube(公式啓発プラットフォーム)をはじめとするデジタルメディアをフル活用し、一般社会への直接的な啓発活動を大規模に展開している。
ショート動画やアニメーションを用いた啓発コンテンツでは、盗撮が「出来心」では済まされない重大な犯罪であること、そして逮捕後に待ち受ける社会的制裁(実名報道、懲戒解雇、家庭の崩壊、多額の賠償金)の現実がリアルに描写されている。密室でこっそり行う行為が、いかに人生を破滅させるかを視覚的に突きつける手法だ。
こうした発信は一般旅客の意識改革にも直結している。周囲の乗客が不審な撮影行為を目撃した際、すばやく客室乗務員へサインを送るなど、機内全体で不正を許さない相互監視の目が自然と形成され始めている。