『テニスの王子様』の跡部景吾は、平成のアニメーション史において「キング」としての地位を確立した伝説的キャラクターだ。毎年バレンタインの時期になると数トン単位のチョコレートが事務所に届く社会現象を生み出したのも、諏訪部順一が吹き込んだ気高き魂があったからこそと言える。
一方で、『Fate/stay night』のアーチャー役は、背中で語る男の哀愁と信念を見事に表現した名演だ。「体は剣で出来ている」という象徴的な詠唱。皮肉屋でありながら内面に抱く熱い正義感を、硬軟織り交ぜたトーンで見事に演じ分けた。この2役の成功が、彼の声優としての評価を盤石なものにした。