近年、エンターテインメント産業の最前線で異彩を放つ配信プラットフォームの動向において、この街の存在感は増すばかりだ。NetflixやHBOといった大手映像プラットフォームで世界中の映画ファンがこぞって視聴し、再評価の波が巻き起こっているのが、著名なドキュメンタリー映画作品である。劇場のスクリーンを飛び越え、デジタル配信のトレンドに乗ることで、ニューヨークの一角に過ぎなかったエリアが世界的なカルチャーの聖地へと変貌を遂げた。
その火付け役となったのが、巨匠フレデリック・ワイズマン監督による伝説的なドキュメンタリー映画『ジャクソン・ハイツにて』だ。カメラは一切のナレーションを排し、そこに生きる人々の姿をありのままに捉える。コミュニティセンターの集会、タコス屋の仕込み、移民支援団体の激論。演出を極限まで削ぎ落とした映像だからこそ、観客はスクリーン越しに本物の街の息遣いを感じ取るのだ。