一般的な都内の博物館や美術館では、一般入場料として1,000円から2,000円前後、特別展であれば2,500円以上を徴収されるケースが珍しくありません。しかし、國學院大學 渋谷キャンパス 博物館(学術メディアセンター地下1階)は、常設展のみならず特別展 詳細まとめに含まれるハイレベルな催しであっても、入場料を一切徴収しない「完全無料」を貫いています。
この運用方針の根底には、単なるファンサービスを超えた明確な学術的・教育的使命が存在します。大学関係者や学芸員の説明によると、國學院大學は1882年に創設された皇典講究所を母体としており、「日本文化の根幹を研究し、その知見を広く社会へ開示する」という建学以来の理念が息づいています。大学の研究成果を学内に囲い込まず、市民や国内外の研究者にオープンアクセスとして提供すること自体が、私立大学としての最大の社会貢献と位置づけられているためです。
さらに、文部科学省の認可を受けた「相当施設(博物館相当施設)」として、私立大学等経常費補助金や学術研究助成基金などを適切に活用しながら運営基盤を確立しています。入場料収入に依存せず、教育研究インフラの一環として博物館を維持できる財務構造が整っている点も、無料公開を継続できる大きな要因です。