会津若松を訪れる旅行者の多くが「満田屋の田楽を食べずには帰れない」と口を揃えます。その最大の理由は、約190年以上にわたって培われてきた味噌造りの技術と、囲炉裏を囲んで目の前で焼き上げられる臨場感にあります。
店舗奥の土蔵を改装した飲食スペースには、大きな囲炉裏が複数配置されています。注文が入ると、熟練の職人が素材串を囲炉裏の灰に手際よく立てかけ、上質な備長炭の強火でじっくりと素焼きを開始。素材本来の水分と旨味を閉じ込めた後、素材ごとに調合された特製味噌を刷毛でたっぷりと塗り、再び炭火で炙ります。味噌がふつふつと泡立ち、焦げ目の香ばしさが室内に広がる瞬間は、まさに食のエンターテインメントです。
焼きたて熱々の串を囲炉裏から直接手渡され、ハフハフと息を吹きかけながら頬張る体験は、都会の飲食店では決して味わえない唯一無二の贅沢といえます。素朴でありながら奥深い会津の風土が、一本の串の中に凝縮されています。