戸隠を語る上で欠かせないのが、一本の竹ザルに盛られた「ぼっち盛り」で知られる戸隠そばだ。修験者の携帯食に由来するとされるこのソウルフードも、2026年の新たな環境基準に合わせた進化を遂げている。地元のそば生産組合は、無農薬・有機栽培の戸隠産そば粉の割合を増やし、調理に使用する湧水の保全活動に売上の一部を還元する「環境保全型そば」の普及を開始した。
「水が美しくなければ、本当に美味しいそばは打てない。神社を包む森を守ることは、私たちのそばを守ることと同じだ」。地元の名店店主の言葉には実感がこもる。名物を味わうことがそのまま森の保護につながる仕組みが、訪れる者の共感を呼んでいる。