現場や日常会話で最も混同されやすい概念が「ユニバーサルデザイン(Universal Design)」との違いです。両者は目指すゴールにおいて共生社会の実現を共有していますが、その発想の起点とアプローチは正反対と言っても過言ではありません。
バリアフリーは、すでにある社会構造の中に「特定の障害者や高齢者にとっての障壁」があることを前提とし、それを後から取り除く・修正するという対症療法的な考え方です。一方、ユニバーサルデザインは、アメリカの建築家ロナルド・メイス氏が提唱したもので、障害の有無、年齢、性別、国籍、言語能力にかかわらず、最初からすべての人が利用しやすいようにデザインするという予防的・包括的な思想に基づいています。
例えば、既存の建物の階段に後からスロープやリフトを増設するのはバリアフリーの典型例です。一方、最初から段差が一切ないエントランスを設計し、車いす利用者もベビーカーを押す親も重いキャリーバッグを引く旅行者も同じ通路を通れるようにするのがユニバーサルデザインです。