お祝いの言葉として格式高い万歳ですが、日常会話やビジネスシーンでは全く逆のネガティブなニュアンスで使われることがあります。その代表格が「万歳(お手上げ)」の意味です。
「事業に行き詰まって万歳した」「トラブルが多すぎて完全に万歳状態だ」という表現は、ギブアップや降参、破産を意味する慣用句として定着しています。これは前述した「両手を挙げて降参する姿」を万歳の姿勢になぞらえた俗語的表現です。
さらにネットカルチャーにおける万歳スラングの使い方としては、「推しが尊すぎて人生万歳」「締め切り直前で我が原稿は万歳いたしました」といった自虐や極限状態を表す感嘆詞としてカジュアルに消費されています。文脈によって「至高の喜び」を表す場合と「完全な白旗・諦め」を表す場合の両極端に分かれる点は、日本語ならではのユニークな現象と言えます。