萬屋の家系図をさらに広げていくと、もう一つの巨大な名門「中村屋」との深い繋がりが見えてくる。十八代目中村勘三郎の母・久里子は、三代目中村時蔵の娘である。つまり、中村獅童と十八代目勘三郎は従兄弟(いとこ)の関係にあり、現在の勘九郎・七之助兄弟とは従兄弟違(いとこちがい)にあたる。
この血縁関係は、獅童の役者人生において精神的な支えとなった。若き日の獅童が古典歌舞伎の枠に収まらず、現代劇や映画に挑戦した際も、中村屋の一門は常に刺激し合うライバルであり、理解者であった。伝統を守りながらも常に革新を求める「中村屋のスピリット」は、萬屋の血を引く獅童の中にも確かに息づいている。