この巨大プロジェクトを背後で強力に牽引しているのが、アメリカの名門フォード・モーターだ。かつてのバッジネーム供給とはわけが違う。デトロイトの技術陣は、RBPTの心臓部に深くコミットしている。
最大の焦点は、出力が約350kWへと劇的に引き上げられる高出力MGU-Kとバッテリーマネジメントシステムの開発にある。市販EVで培ったフォードのバッテリーセル化学とソフトウェア制御技術が、英ファクトリーへリアルタイムでフィードバックされているのだ。ある開発エンジニアは「彼らのシミュレーション精度は桁違いだ。特に減速時の回生エネルギー効率化において、ライバルを圧倒するアルゴリズムが構築されつつある」と自信を覗かせる。巨大自動車資本と気鋭のレース屋集団による融合が、想像以上の化学反応を生み出し始めている。