映画版で圧倒的な存在感を見せたのが、主演のイ・ビョンホンだ。狂気に怯える真の王・光海君と、王の影武者として玉座に座らされた人間味あふれる道化師ハソンの二役を鮮やかに演じ分けた。表情の微細な変化、声のトーンの使い分けは観客を息をのませるほどの完成度を誇る。
暴君の身代わりを立てる計画を推し進める都承旨(ホ・ギュン)役には、重厚な演技で定評のあるリュ・スンリョンが配された。冷徹な政治家でありながら、偽物の王が見せる民への優しさに心が揺らぐ複雑な内面を巧みに体現している。
そして、暗闘が渦巻く宮中で孤立する王妃を演じたのがハン・ヒョジュだ。冷ややかな宮中の空気の中で見せる静かな気品と悲哀は、物語に深い情緒を添えた。配給を手掛けたCJ ENMの戦略的バックアップもあり、映画は韓国国内で歴史的大ヒットを記録した。