同社の経営舵取りの歴史を振り返ると、長期的な構造改革のドラマが見えてくる。かつて安川健司前社長の時代に推進されたバイオベンチャーの買収や「Focus Area Approach」と呼ばれる選択と集中戦略は、次世代の成長種子をまく挑戦であった。そのバトンを受け継いだ岡村直樹現社長には、まかれた種を確実な利益として実らせる収益化の実行力が強く求められている。
岡村体制のもと、経営陣は販管費の抑制や不採算事業の整理を急ぎ、収益性の急回復を目指している。だが、株式市場の評価は未だ慎重だ。「経営陣のコミットメントが数値として表れていない」という掲示板での厳しい指摘に対し、結果で応えられるか。トップの素早い意思決定と市場との対話姿勢が、投資家の信頼を左右する。