2016年に公開された正統続編『デスノート Light up the NEW world』に戸田恵梨香が再び弥海砂役としてキャスティングされた際、ファンの間では歓喜とともに「なぜ今さら受託したのか」という疑問の声も一部で上がりました。ネット上では「事務所の意向による単なる話題作りではないか」といった憶測も飛び交いましたが、実際の背景は大きく異なります。
当時の舞台挨拶やインタビューにおいて、戸田自身は「10年前の作品であり、自分の中で美しく完結していた弥海砂を再び演じることには強い葛藤と恐怖があった」と率直な心境を吐露しています。かつてのファンが持つ「無邪気で可愛いミサミサ」のイメージを壊してしまうリスクを誰よりも恐れていたのは、演者本人でした。
しかし、佐藤信介監督をはじめとする制作陣から「月(ライト)を失い、記憶を消されながらも10年間生き続けた女性の業と切なさを描きたい」という真摯なオファーを受け、彼女は出演を決意しました。劇中で見せた、大人の女性へと成長しながらも心の深層で月を求め続ける哀愁を帯びた佇まいは、単なるノスタルジーに留まらない深みを与え、多くの映画評論家から絶賛を受ける結果となりました。