札幌ラーメンの歴史を語る上で、味の三平の創業者・大宮守人(もりひと)氏の存在を外すことはできません。終戦直後の1950年(昭和25年)、大通公園近くの屋台からスタートした同店は、常に「医食同源」の精神を掲げ、食べる人の健康と活力を支える一杯を模索し続けていました。
転機が訪れたのは昭和30年代初頭。スイスの食品メーカーが発行した雑誌記事で「味噌は健康に良い」という記述を目にした大宮氏は、日本の伝統食である味噌をラーメンスープに融合させるアイデアを思いつきます。試行錯誤を重ね、豚骨ベースのスープに特製味噌ダレを合わせ、野菜の甘みを引き出した元祖・味噌ラーメンが完成しました。
さらに、スープとの絡みを極限まで高めるため、麺メーカーの西山製麺と共に開発したのが、今や札幌ラーメンの代名詞となった「多加水熟成ちぢれ麺」です。スープをしっかりと持ち上げる黄色いちぢれ麺は、この味の三平での試みから全国へと普及していきました。