拠点となるのは、大分県速見郡日出町の静かな住まいだ。元々は鮮魚店を営んでいた彼だが、65歳で店を閉めてからは、受け取るわずかな国民年金だけを頼りに生活している。周囲からは「寄付を受け取ればいい」「講演料を取ればいい」という声が幾度となく上がったが、本人は一貫して首を横に振り続ける。
「人からもらったお金でボランティアに行っても、自分の心は満たされんのよ。自分の小遣いで行くからこそ、魂が喜ぶんや」。幼少期の極貧生活や母親との早すぎる別れなど、数々の辛酸をなめてきた過去があるからこそ、困っている人を無償で助けたいという衝動が湧き上がる。損得勘定を完全に捨て去った生き方が、ここにある。