ネットカルチャーの視点で外せないのが、元王下七武海サー・クロコダイルがルフィの母親ではないかという、いわゆる「クロコダイル元女性説(クロコマム説)」だ。インペルダウン編でイワンコフが口にした「弱み」という言葉を拡大解釈した半ばミームのような考察だが、海外の熱心な考察勢の間では驚くほど真剣に論争が続いている。
冷静な視点でテキストを追えば、この仮説が本筋である可能性は低い。尾田氏がかつて「もし母親が登場するなら、頑固で厳格な中年女性。パーマをかけているような強いお母ちゃん」と冗談めかして語っていたイメージとも乖離がある。だが、このような奇抜な考察が何年も廃れない事実そのものが、読者の渇望を物語っている。公式が正解を提示しない空白期間が長すぎた結果、あらゆるキャラクターの接点に「母の影」を探してしまう心理が世界規模で蔓延しているのだ。