物理学における位相(英語:Phase)の基本的な定義は、「周期的に繰り返される運動や波において、1周期の中のどの状態(タイミング)にあるかを示す量」です。
もっとも直感的な具体例が「時計の針」や「ブランコの揺れ」です。時計の針は12時間(あるいは60分)で1周します。ブランコは「前へ揺れる→最高点に達する→後ろへ戻る→最も後ろに達する」という動作を永遠に繰り返します。この「今、全体のサイクルのどの位置にいるのか」を、0度から360度(数式では0から2πラジアン)の角度で表したものが、波動と周期の位相です。
波(サイン波)を例に取ると、波が基準線から上に盛り上がる「山」の頂点は90度(π/2)、基準線に戻る点が180度(π)、最も落ち込む「谷」の底は270度(3π/2)、そして一巡して元の状態に戻る点が360度(2π)となります。このように、物理の位相とは「波の形そのもの」ではなく、「波の進行状態の特定の位置」を指し示す座標のような役割を果たしています。