事故から9年が経った2026年現在、高山善廣は厳しいリハビリ生活を続けている。首から下の感覚を失う「頸髄完全損傷」という診断は、医学的には極めて厳しい現実を突きつけるものだった。人工呼吸器を装着し、自力での呼吸すらままならない時期もあった。
しかし、高山は諦めていない。ブログやSNSを通じて発信される彼の姿は、かつてのリング上と同様に力強い。少しずつではあるが、リハビリの成果によって首を動かせるようになり、電動車椅子を操作する訓練にも取り組んでいる。
「生きていてよかった」――そう語る彼の言葉には、絶望の淵から這い上がってきた者だけが持つ、圧倒的な説得力がある。彼の闘いは、もはやリングの上ではなく、自らの肉体という新たな戦場へと移っているのだ。