近年の地球温暖化は、盆地である京都に容赦ない暑さをもたらしている。しかし、この過酷な気候に対抗する知恵もまた、グリッド構造の中に隠されていた。南北に走る通りは、比叡山や鞍馬山といった北部の山々から吹き下ろす冷たい風「叡山颪(えいざんおろし)」の通り道となる。
都市工学の専門家は、この直線的な道路網がヒートアイランド現象を緩和する天然のベンチレーション(換気)システムとして機能していると指摘する。大通りから一本入った路地に入るだけで、体感温度が2度近く下がることもある。先人たちが風の流れを計算して街を作ったのだとすれば、その先見の明には驚かされるばかりだ。