「Windyは台風の発生を10日以上前から察知できる」と言われる一方で、ネット上では「Windyの予想は外れた」「大げさすぎて当たらない」という声も散見されます。このギャップが生じる原因は、気象シミュレーションの性質と人間の心理バイアスにあります。
台風の進路シミュレーションは、発生から3日以内であれば約70〜80%前後の高い確率で進路が収束しますが、7日〜10日先になると大気のカオス現象によって誤差が指数関数的に拡大します。Windyは計算結果を修正せずダイレクトに描画するため、南洋の熱帯低気圧が猛烈な台風として日本を直撃する計算結果が一時的に表示されることがあります。しかし、数日後の計算更新で高気圧の勢力データが書き換わり、台風自体が消滅したり進路が大きく東へ逸れたりすることは日常茶飯事です。
「10日前の画面で見た直撃シミュレーション」の強い印象だけが記憶に残り、その後のモデル修正を追わずにいると、「Windyは大ハズレだった」という認知の歪み(確証バイアス)を生んでしまいます。1週間以上先のデータは「台風が発生しやすい気圧配置になっている」という目安程度に留め、確定情報として扱わない姿勢が極めて重要です。