今や国民的俳優として確固たる地位を築いた阿部寛だが、その芸能界入りのきっかけは驚くほど素朴なものだった。中央大学理工学部に通う平凡な大学生だった彼を動かしたのは、姉の「優勝したら賞品で車がもらえるよ」という一言だったという。
第3回「ノンノ・ボーイフレンド大賞」に応募したところ、見事にグランプリを獲得。賞品の自動車を手に入れた若き日の阿部は、モデルという仕事の面白さに目覚めていく。しかし、当時の本人は「まさか自分が一生の仕事として表舞台に立ち続けることになるとは思ってもみなかった」と後に述懐している。過度な野心を持たずに飛び込んだ世界で、彼の天性の華が開花した瞬間だった。