霧島連山に降った雨水が幾重もの地層で自然ろ過され、数十年の歳月を経て地表へと噴き出す霧島山麓湧水群(名水百選)。その中核をなす丸池湧水は、周囲約160メートルの池全体が巨大なすり鉢状の湧出口となっています。
特筆すべきは、その圧倒的なスケール感です。丸池湧水の湧水量は日量約6万トンに達し、池底から絶え間なく湧き上がる水は年間を通じて水温約17度をキープしています。真夏には心地よい涼気をもたらし、真冬には朝霧を立ち上らせるその光景は、訪れる時間帯や季節によって全く異なる表情を見せてくれます。
池のほとりに立つと、深さ数メートル下の倒木や小石、水草の葉先までもがガラス越しのようにくっきりと視界に入ります。池の一角には、1900年(明治33年)に造られた煉瓦造りの取水口(樋門)が現存しており、国の登録有形文化財にも指定されています。単なる自然景観にとどまらず、地域の生活用水や農業用水を百余年にわたり支え続けてきた歴史的価値も併せ持っています。