精白された白米は、製造過程で胚芽や糠層が削ぎ落とされるため、主成分がほぼ「炭水化物(デンプン)」に偏ってしまいます。そこに五穀米の素材を補填することで、現代日本人に慢性的に不足している食物繊維、マグネシウム、鉄分、亜鉛、ビタミンB群を効率的にリカバリーすることが可能です。
特筆すべきは、大麦系原料である「もち麦」と「押し麦」の存在です。同じ大麦でありながら、もち麦は粘り気のあるモチ性、押し麦はサラッとしたウルチ性という性質を持ちます。どちらも水溶性食物繊維の王様と呼ばれる「大麦β-グルカン」を豊富に含有しています。このβ-グルカンは胃腸内で水分を抱え込んで粘稠なゲル状に変化し、糖質の吸収スピードを物理的に緩やかにする働きを持っています。
血糖値の上がりやすさを示すGI値(グリセミック・インデックス)において、白米のGI値が「84〜88」という高GIに分類されるのに対し、大麦や雑穀を高配合した五穀ブレンドご飯はGI値「55〜65」程度の中低GI食品へとシフトします。急激な血糖値スパイクを防ぐことは、インスリンの過剰分泌(余剰糖質を体脂肪として蓄積させる生体反応)を抑制することに直結します。
さらに臨床栄養学分野では、朝食に大麦や雑穀を含む主食を摂取することで、昼食以降の血糖値上昇までも穏やかに保つ「セカンドミール効果」が立証されています。日中の集中力低下や食後の強烈な眠気に悩むビジネスパーソンにとっても、五穀米へのシフトは理にかなった生活防衛策と言えます。