呉の街を歩けば誰もがその名を知る呉市きってのソウルフード・福住のフライケーキ。その歴史は終戦直後の昭和22年(1947年)にまで遡ります。戦後の復興期、甘いものが貴重だった時代に手軽で栄養価の高いおやつとして誕生し、港町・軍港として栄えた呉で働く人々の胃袋と心を支えてきました。
全国的には「揚げまんじゅう」や「サーターアンダギーにあんこを入れたもの」と形容されることもありますが、福住のフライケーキは似て非なる独自の進化を遂げています。最大の特徴は、上質な菜種油でからりと揚げられた特製生地の食感です。外側はクッキーのように香ばしくカリッとしており、内側はふんわり。油っぽさを感じさせない軽やかな後味の秘密は、長年培われた職人の絶妙な温度管理と揚げの技術にあります。
割烹着姿の店員さんたちが手際よく生地を包み、大鍋の油へと投入していくライブ感あふれる店内。地元呉では、部活動帰りの学生から孫へのお土産を買うお年寄りまで、幅広い世代の思い出とともにこの味が刻まれています。