多くの来訪者が「言葉を失った」「絵画の中に迷い込んだようだ」と口を揃える最大の理由は、播磨灘を見下ろす絶妙な高低差と遮蔽物の完全な排除にあります。海岸線ギリギリの平地から眺める夕日とは異なり、サンセットパーク五色夕日が丘公園は小高い丘の上に位置しています。これにより、手前に広がる豊かな自然の稜線、鏡のように穏やかな瀬戸内海の水面、そして遥か彼方の小豆島や四国山地のシルエットが立体的な遠近感を形成します。
光学的な観点からも明確な理由が存在します。瀬戸内海特有の現象である「夕凪(ゆうなぎ)」が発生する夕刻、播磨灘の波立ちが極めて穏やかになります。風が止み、波頭が消えた広大な海面は巨大な反射鏡へと姿を変え、沈みゆく太陽の光を直線状に反射する「光の道(サンセットロード)」を鮮明に描き出します。
サンセットパーク五色の展望台に立つと、視界を遮る電線や人工構造物が視界に入りません。夕日が水平線に接する「日没」そのものの瞬間はもちろん、太陽が隠れた直後に訪れる「トワイライトゾーン(薄暮)」において、空が茜色から緋色、紫、そして群青色へと刻一刻と変化するグラデーションの純度が極めて高いのです。自然地理と気象条件が奇跡的な調和を見せる場所、それがこの公園が持つ最大の引力といえます。