物損事故から人身への変更は何日以内?拒否される理由と診断書手続き

物損事故から人身への変更は何日以内?拒否される理由と診断書手続き

物損事故から人身への変更は何日以内?拒否される理由と診断書手続きについての疑問解決ガイドをお届けします。

「物損事故のままでも、保険会社が病院の治療費を内払いで支払ってくれているから問題ない」と誤認している被害者は極めて危険です。民法上の損害賠償実務において、物損事故と人身事故の慰謝料の違いは天と地ほどの格差を生み出します。

結論から言えば、物損事故のまま示談を成立させた場合、精神的苦痛に対する「入通院慰謝料」および「後遺障害慰謝料」は1円も支払われません。日本の裁判実務において、物損に対する慰謝料は原則として否定されており、認められるのは愛着のあるペットの死亡や墓石の損壊など、極めて例外的な事案に限定されます。怪我を負いながら物損事故として放置することは、自らの正当な補償請求権を自ら放棄している行為と同義です。

項目物損事故の処理人身事故への変更後編集部の見解・評価慰謝料の請求権0円(修理費・代車費用等の財産的損害のみ)入通院慰謝料・後遺障害慰謝料を全額請求可能数ヶ月の通院で数十万〜百万円単位の格差が発生する致命的要素。警察が作成する書類物件事故報告書(簡易メモ、現場図面なし)実況見分調書・供述調書(精密な刑事記録)後の過失割合トラブルで客観的証拠能力に決定的な差がつく。治療費の支払対応任意保険会社の「サービス的内払い」(早期打ち切りリスク大)自賠責保険(上限120万円)+任意保険の一括対応物損のままでは保険会社が「怪我はないはず」と早期治療終了を迫りやすい。後遺障害等級の認定極めて困難(「怪我のない軽微事故」と扱われる)等級認定の正当な審査対象となるむちうちで後遺症が残った際、人身届出が審査通過の最低前提条件。加害者への処分行政処分(違反点数)・刑事罰ともになし免許停止等の点数加算・罰金刑の対象加害者が物損を懇願する理由。被害者が遠慮する必要はない。

とりわけ、自賠責保険と任意保険の治療費対応における力関係の変化は見過ごせません。任意保険会社が物損事故のまま治療費を支払っている状態は、あくまで「示談を円滑に進めるための一時的な事実上の対応」に過ぎません。保険会社の担当者が「怪我の報告がない軽微な物損事故ですから、治療は1ヶ月で終了してください」と一方的に治療費の打ち切りを通告してきた際、物損事故のままでは有効な反論が極めて難しくなります。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。